馬頭琴の音色とともに

皆さんは、馬頭琴という楽器を知っていますか?馬頭琴はモンゴル地方の遊牧民の間に古くから伝わる楽器で、持ち手の棹の先端に馬の頭の彫刻が施され、弓と弦には実際に馬の尻尾の毛が使われています。
馬頭琴と切っても切り離せないのは「スーホの白い馬」の絵本ではないでしょうか?今でも2年生の国語の教科書に載っていて、日本中の子ども達が知っているお話です。
昨秋、読み聞かせをしている小学校から頼まれて、700人の子ども達の前で馬頭琴の演奏に合わせて、絵本を読む機会に恵まれました。私の絵本読みはさておき。モンゴル人のマンダルワさんの奏でる馬頭琴の音色が素晴らしいものでした。絵本のシーンに合わせて、広い草原とそこを吹き抜ける風を感じさせる壮大でさわやかな音色、その草原を駆ける馬の足音、競争をする沢山の馬たちの怒涛のような足音、馬の鳴き声、いななき、スーホのしろうまが死んでいくシーンの切なく哀愁をおびた胸が震えるような弦楽器ならではの弦の響きなど様々な音楽が奏でられました。私自身その音色に魅せられました。

その日の給食のときの子ども達の話題は、スーホの白い馬の話でもちきりだったと多くの子ども達が家に帰って話したそうです。3年生以上の子ども達は授業で習った話が音楽を聴くことで、鮮明に映画のようによみがえってきたのでしょうか?子ども達の素直な心はいいですね。ずっと持ち続けていってもらいたいものです。
私にとっては、可愛い子ども達とドキドキ感とともに馬頭琴に浸った秋の一日になりました。